めばる

fish_mebaru
”春告魚”という言葉があります。その魚が取れ始めると
海に春が来たと言われる魚です。この魚は地方によって異なり、
その地方の魚食文化を色濃く映した言葉で魚を良く食べる
日本ならではの言葉と言えるでしょう。

広島では”春告魚”はこの”めばる(眼張)”を指します。
その名前の通り大きくつぶらな眼が特徴です。
比較的浅い岩礁帯に棲み、瀬戸内海に非常多く棲んでいます。
防波堤などでの釣りでも親しみを持たれている魚です。
この魚は1-2月が産卵期にあたり、春になって水温が上がってくると
産卵期で失った体力を取り戻す為に猛烈に餌を食べ始めます。
そのため春になるとグンと太って美味しくなるんです。
小エビや小魚を食べてどんどん美味しくなる春のめばる。
それを支えるだけの豊かさを瀬戸内の海は持っています。
煮付けや唐揚げ、実は塩焼きも非常に美味しい魚で
コクと旨味のある白身と骨離れのよい肉質が特徴です。
煮付けの際、豆腐や葱と一緒に煮付けると
めばるの旨味がギュっと染み込んで美味しさが倍増します。
和風料理だけではなくアクアパッツアなどのイタリア料理にも
非常に相性が良い魚です。