魚に豊かと書いて”鱧”。暖かくなって小魚が増えてきた春の瀬戸で、
ぐんぐん餌を食べて脂の乗る豊かな味です。
古来から”鱧は梅雨の水を飲んで旨くなる”と魚河岸では言い習わしてまいりました。
初夏にかけて雨がだんだん多くなります。すると、川からの養分が海に流れ込み、
そのおかげでプランクトンが増え、それを食べる小魚が増え、最後にそれを食べる
はもが美味しくなるという理由を昔の人は肌で感じていたのですね。
小骨が多いはもは”骨切り”という職人の技を使い、極上の一品に仕上がります。
写真は某名人の技
”三寸(10センチ)を二十四に包丁を入れる”と言われるこの技。
家庭で簡単にできる方法は?と問うと
職人さんに”一人前になるのに3-4年以上かかります”と苦笑いされました。
最近はスーパーなどの店頭でも骨きり済の物が出回っています。
見かけたらぜひご賞味ください。
魚食魚ですので非常に歯が鋭く、市場で活きているときに噛まれると正に
痛い目にあいます。