さわら

fish_sawara
春の魚と書いて”鰆” 外洋で餌を食べて大きくなったさわらは
春になると産卵のために沿岸部によってきます。
そのため良く取れるようになり春の魚と呼ばれる様になったと
言われています。また、体がスマートで幅が狭いことから
”狭い腹”→”さわら” 幼魚の事を”狭い腰”→”さごし”と
呼ぶようになったとの説もあります。
見た目のスマートさが示す通りとても遊泳力が強く、その俊敏性を生かして
他の魚を捕まえて食べる捕食魚です。そのためとても鋭い歯を持っています。
釣りをする時にはワイヤーでないと即切られてしまう程です。
奇麗な白身の肉質をもちますが、成分上は赤身魚に分類され、
ビタミンB2やB3、DHAやEPAなどの機能性油脂も豊富に含みます。
鮮度の良い物を見かけたらお刺身で。ちょっと忘れられない美味しさです。
そして何といっても焼物。
数ある焼物の中でも、白味噌に漬け込んだ西京漬はまさに
「幸せを噛み締める」という言葉がピッタリの味です。
一時期は漁獲量ががくんと減って貴重な魚になっていた鰆。
漁獲制限や資源保護、放流事業なども盛んに行われ効果を表したのか
漁獲量も回復しつつあり、質のよい国内産が豊富に出回っています。
温暖化の影響か、以前は姿が見えなかった北陸、東北地方でも水揚が
見られるようになりました。消費者としては嬉しいのですが複雑な思いも・・・。